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【vol.3】第1弾!アートなレジャーシート「ムードラグ」の開発秘話

【vol.3】第1弾!アートなレジャーシート「ムードラグ」の開発秘話

こんにちは、「aiMIKI×KAZUMAプロジェクトの」黒川です。

私はカズマに入社以来、カーテン製造の現場に立ってきました。カーテンを製造するには決まった縫製仕様があり、その仕様通りになるように、生地ごとにミシンの生地を送っていくスピードや糸の引っ張り具合に気を付けて縫製しています。

そんな縫製畑を歩んできた私から、今回は、ムードラグを製品化するにあたって、私たちが経験した試行錯誤の日々を少しお伝えします。

セントラルパークで過ごす人々をイメージしたおしゃれさを

昨年の春、aiMIKIさんとコラボすることが決まってから、aiMIKIさんを交えて何度かミーティングを行い、最初に作る作品をレジャーシートに決めました。

作品のコンセプトは、たくさんの国の人々が、思い思いのスタイルで自由時間を楽しむ、ニューヨークセントラルパークの日常風景に決定!

セントラルパークで休日を過ごす人たちが持ち寄るレジャーアイテムはどれも個性的で、自分らしさに満ちたものばかり。

そんな個性あふれるレジャーシートをつくるために、何度も集まり、みんなで細かく打合せして決めていきました。

まずは実際にaiMIKIさんが使用しているレジャーシートを見て作品のイメージづくりをしました。

「大人っぽく」「おしゃれに」「男性でも使える」「持ち運び便利」を意識したレジャーシートがいい!ということで、使用後のレジャーシートは丸めてコンパクトにまとめられるようにし、レジャーシートにフタをつけ、かぶせて留めるデザインを発案しました。

どの柄にも合うように、このフタのデザインはモノクロに統一。スタイリッシュなイメージに仕上げることに。

砂利が多い日本の公園に合わせてクッション性を高く

作品のイメージ、デザインが決まったらいよいよ製作開始です。

「日本の公園は芝生が少なく、砂利が多いイメージだよね」

そんな意見が出て、座り心地をよくするためにクッション性の高いものを試作しようと考えました。

私たちの工場にはカーテンをつくる材料はたくさんあるけど、レジャーシートをつくる材料は生地しかありません。

そこで、ひとまず手芸屋さんへ行って、取り急ぎアルミシートの代わりの綿,ファスナー,マジックテープなどを購入、試作品を作ってみることに。

最初の試作では生地と生地の間に綿をはさんでクッション性を出し、2つのシートを縫い留める為に、パイピングという縫製手法を採用してみることに。

ところが、綿を挟んでも思っていた以上にクッション性がでなくて大苦戦・・・。

そこで、市販のレジャーシートとして売っているアルミシートでは分厚すぎたため、中国から数種類の厚みのアルミシートを取寄せ、ベストな厚みを探すことにしました。

※パイピングとは

生地の端がほつれてこないように2-4cmにカットされた生地テープでくるむように縫製していく仕様です。生地端のほつれ防止と生地表面の色合いにコントラストがでるという縫製手法です。

友達と、家族と、シーンに合わせて大きくしたい!

また、友達といろいろな場面でレジャーを楽しむ時、その都度、使用する場面によってレジャーシートの大きさが変えられると便利かもという意見もあり、レジャーシート同士をつなぎ合わせる案がでました。

つなぎ合わせにはファスナーをつけようと思いましたが、市販されているファスナーは短いサイズしかなく、ファスナーメーカーで私たちが求めるサイズを探し、メーカーから直接購入することになりました。

ファスナーについて調べている際に、ファスナーにもいろいろな種類があり、用途に応じて使い分ける必要があることに気づき、私たちはカラーバリエーションが豊富なビスロンファスナーを使うことを決めました。

※ビスロンファスナーとは

ポリアセタールなどの樹脂をエレメントとしてテープに射出成型したファスナーの事です。テープとエレメントの色を同じにすることが出来てカラーバリエーションも豊富です。

片付けのしやすさ、持ち運びのしやすさも大事

レジャーシートは、折りたたむスタイルが多いですが、使用する時にたたみ跡が付いていると、せっかくのかわいい柄が台無しになってしまいます。そこで私たちは、レジャーシートを丸めて持ち運ぶ方法を採用しました。

しかし、巾1.5m×長さ2mの断熱・クッション性(アルミシート仕様)があるレジャーシートを丸めるには、生地が厚すぎてもうまくまとまりません。

はじめはクッション性(座り心地)のみを考慮していた為、厚みが思った以上にあり、丸めようと思ってもうまく丸めませんでした。

そこで、アルミシートの仕様見直しを行い、断熱・クッション性、そして取り扱い易さを考慮したアルミシートの厚みへ変更しました。

この丸めて持ち運ぶ方法を考えている過程で、当初考えていた丸めた後にマジックテープで留めるという仕様に不安を感じました。

マジックテープでしっかりと固定しようとするとフタの部分を大きくする必要があり、せっかくの意匠性が損なわれる可能性があります。

また、フタを小さくすると持ち運んでいる際にマジックテープが外れてしまう可能性が高くなります。この問題を解決する方法を考え、導き出した解決方法がバックル仕様への変更でした。

バックルだと自然に外れるという心配もないし、フタを大きくする必要もなくヒモの長さを調整すればいいだけでデザインが活かせるようになります。

何度も何度も試作。失敗の中からから学んだこと

さまざまな失敗を繰り返し、最終仕様が決まり試作しました。

そして試作品の撮影が決まった今年3月に新たな問題が発覚しました。

それは、アルミシートに施されたパイピングテープを少しの力で引っ張ると、縫い目からアルミシートが引き裂かれてくるという現象でした。

この解決方法を探す為、アルミシートとパイピングテープを縫い合せる縫い目の数を減らしたり、アルミシートの内部に薄いフィルムが入っているものへと変更したりなど、私たち自身で考えられるあらゆる方法を試してみました。

失敗つづきでしたが、アルミシート+撥水性生地をパイピングテープで留めるとアルミシートから裂けてくることが防げることが分かりこの仕様を採用し、作品の最終仕様を確定させることが出来ました。

 このムードラグの製作活動を通じて、一つの作品を創り上げるには企画から製造まで、一貫してみんなの思いを一つにして取り組む事が大切なのだということを痛感。

これからもまだまだ新しくてワクワクするような商品を開発予定です!お楽しみに。

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