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アイロンとクワの二刀流。縫製界の畑番

アイロンとクワの二刀流。縫製界の畑番

本社工場/縫製係 前工程
大野さん

社内に突然あらわれる直売所

3階のテーブルに、ちょくちょく出現する段ボールに入った採れたての野菜たち。「ほしい人は持っていっていいよ」のスタイルで、オフィスの一角に、急に“無人直売所”が出現します。中を見ると、立派なスイカやら、ツヤっとしたきゅうりやナス、ピーマンやら。この野菜たちみんな大野さんの畑から来ています。

スイカは農協に出してたりもする立派なクオリティ。そんな栄養たっぷりの野菜を会社で惜しみもなくいただけるという、本当にありがたい限りです👏 


午前は縫製、午後は農業の二毛作生活

そんな大野さん、普段は 縫製係 前工程 というカーテンの裾や耳を縫製する工程のアイロンがけを担当されてます。


ただ、その1日の構成がちょっとすごい。火曜・水曜は15時まで、月曜・木曜・金曜は12時まで勤務。そのあとは、畑へ直行。休日は、ほぼ“畑フルタイム”。

つまり、午前はカーテンを整え、午後は作物を育てる。
1日の中に“繊維産業”と“第一次産業”が共存しているんですね。
鹿児島生まれ、40年以上畑とともに生きてきた人の“日常”、想像よりだいぶ濃いです。


改めて聞いてみたら畑のスケールがヤバかった

話の流れで、畑の規模を聞いてみました。

「三国で30メートル×80メートル借りてる」

……え?80メートル!?えっと、それは家庭菜園ではなく、農地ですね。
趣味みたいに話すからもっと小規模なイメージでしたがどうやら違うよう。

さらに家の前にも畑があって、そちらではお花中心に育てているとか。
水仙は10種類以上、バラ、しゃくやく、クリスマスローズ。季節ごとにちゃんと主役が変わるラインナップ。

畑のほうでは、さといも、じゃがいも、いちご、そらまめ、とうもろこし、落花生、小豆。
春夏秋冬、途切れず何かが育っている状態。

なお、コンバインなどの大きな機械は近所の方にお願いしているそうで、この時点で地域連携も成立しています。


うまくいかない話が、なぜか楽しそう

順調な話ばかりかと思いきや、そうでもありません。

「雨降りすぎたらスイカ腐るしなあ」
「いちご、大事にしすぎてビニールかけすぎたら受粉せんかったんや」
「花咲いてるときにあられ降ったら終わりやし」

当然だけど農業は自然とのたたかい。大変ですよね。でも大野さん、全部ちょっと楽しそうに話すんです。

「どう対策するか考えるのが楽しくて」

…なるほど、ここで腑に落ちました。大野さんって“試行錯誤そのもの”を楽しんでいるタイプ。

本も参考にするけど、「気候が違うからなあ」と最終的には感覚で調整。
経験値ベースの判断、思うようにいかないから面白い。だから農業はやめられないんだそう。


つくることがずっと好きな人

そしてこの感覚、仕事にもそのままつながってるらしい。

「どうやったらきれいにアイロンかけられるか考えるのが好きなんや」と大野さん。


生地によって温度や圧を変えながら、仕上がりを見て微調整。

畑でも、工場でも、“完成度を上げるために考える”という点では同じ。
フィールドが違うだけで、やっていることは一貫しています。

さらに、時間と材料があれば料理も好きとのこと。
育てて、つくって、仕上げる。
流れが全部つながっている。

「うまくできたときと、またちょうだいって言われたときが一番うれしい」
この一言、すごくシンプルなのに、全部が詰まっていました。


人が集まる理由は、たぶんここにある

大野さんのまわりには、自然と人が集まります。

近所の方と野菜を交換したり、「その栗の木になってる実、全部食べていいよ」みたいなやりとりがあったり。(熊じゃないんだから、という量) 
会社で退職された方が農業の手伝いに来てくれることもあるそうです。

大阪には娘さん1人と福井&金沢に息子さん3人。息子さんは料理の道に進み、料亭で働いているとのこと。ほうれん草や折菜を送ってあげているという話も、なんだかすごくいい。

「私はね、一人この手で4人育て上げたのよ」と話す表情がもうかっこよすぎて、子育てもきっと野菜と同じように厳しい壁を楽しく乗り越えてたんだろうな、と想像。

ははーっと拝み倒したくなるような心境になりました。


気づけば、畑の話から人生の話まで、一気に聞いてしまっていた時間。
そしてふと見ると、工場では今日もきれいに仕上がったカーテンが並んでいる。

午前はアイロン、午後はクワ。
でもそのどちらも、“つくることが好き”という一本の軸でつながっている。

この二刀流、ただの器用さじゃない気がします。
なんというか、“生き方が一貫してる人”の強さ、みたいなもの。 ……あと次、3階に何が置かれているのか、ちょっと楽しみ。

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