
BBQの炎とITを操る、DX界のグリルマスター

IT推進室
石田さん
AIと炭火、同じ“ロジック”で動いている
普段はIT推進室で、AIやITを使って社内の業務効率化を進めている石田さん。
大学では人工知能やロボットを研究していた、いわゆる根っからの理系です。

そんな石田さんを今夢中にさせているのが、バーベキュー。といってもただのBBQじゃない、競技です。
気づいたらアジア2位になっていた話
ステーキコンテストは、全国各地で開催されます。2025年は韓国、岐阜、福島、高知、沖縄、愛知の6大会。すべて自腹で参加。
大会は18チームほどが参加し、順位に応じてポイントが加算される仕組み。
10位で1点、1位で10点。これを積み重ねて年間ランキングが決まります。

その結果、アジア年間ポイントランキング2位!!
ちなみに1位になるとアメリカ大会への出場権がもらえるそうです。
「そこを目指して、ここ2〜3年ずっと挑戦してます」
この“淡々とした熱量”がかっこいい。
BBQ=焼肉じゃないという衝撃
「日本のBBQって、ほぼ焼肉なんですよ」
そう言われて、やけに納得してしまいました。日本は薄い肉をその場で焼いて食べるスタイル。一方、アメリカ式はフタ付きのグリルでスモークしながら、低温でじっくり火を入れる“Low and Slow”。

炭の配置で火力のグラデーションをつくり、硬い肉でもほろっと崩れるまで時間をかける。
スペアリブなら約6時間。(3時間焼いて、2時間蒸して、1時間で焼いて仕上げる)
しかも途中でアップルジュースを吹きかけるらしい。

焼き目ひとつに戦略がある世界
大会では、味だけでなく“見た目”も評価対象。焼き目にも細かいこだわりがあるんだそうです。
「焼き目を先につけるか、最後につけるか」
「肉芯温度はどのタイミングで、どの温度を狙うか」
もう言ってることがまるでカンブリア宮殿。使ってるワードも「これ何の話だったっけ」と頭がバグるものばかり。

肉芯って肉の中心温度のことらしい。(肉芯温度計で測定)ミディアムが高得点になりやすいので、そこに合わせて逆算して焼くんだそう。
さらに調味料もポイント対象。海外から取り寄せたり、市販のものをブレンドしたり。
同じ肉で味付けを2パターン作って、どちらが良いか検証することもあるそうです。
「分量どうしようって考えてるのが楽しいんですよね」
たかが肉、されど肉。こんなに極めごたえがあるんですね、肉。

(写真左は調合した調味料を混ぜて肉に味をしみこませてみたところ。右は焼き上がり)
仕事終わりに“軽く3時間焼く”人
忙しいときでも、練習は欠かさない。仕事終わりに焼くこともあるそうです。
「時間ないときは軽めにステーキで」
軽め=3時間。
長い・・・。長すぎる・・・。
火起こしに30分。そこから焼きに入る。
こだわらなければ1時間でもできるらしいですが、“こだわらない”という選択肢はあまりなさそうです。
ちなみに練習用としてコストコで大きな肉を買うのが定番で、「テーマパークみたいで楽しい」とのこと。
あ、その気持ちなら少しわかるかも。
火を扱う人は、たぶん本質を見ている
「おいしいって言ってもらえるのが一番うれしいですね」
この一言はすごくシンプルなんですが、ここまでの話を聞いたあとだと、重みが違います。

(写真上:石田さんが言う友人や家族とのBBQも、結局このクオリティ。こんなの作ってくれるならそりゃ何時間でも待てる・・・)
中国スタッフ歓迎会でスペアリブを焼いたことがあるそうです。6時間かけて。
歓迎の気持ち、火力で伝えるスタイルなんですね。
ちなみに、自分がピットマスター(BBQの調理担当)を務めるときは、必ず最初にアペタイザー(前菜)を用意するそうです。(写真下)
いきなりメインにいかない。ちゃんと“流れ”をつくる。

極める人は、だいたい横にも広がる
BBQだけかと思いきや、興味はさらに横に、しかも深く広がっています。
レザークラフト、そして狩猟。狩猟は許可期間が11月15日から2月15日までと決まっていて、イノシシやカモを狙い、自分でさばいて食べる。
ていうか石田さん、持っている資格の幅がすごい。
危険物取扱者(乙種第1〜6類)をフルで持ち、測量士補も取得。カナダへの留学経験もある。さらに、BBQ上級インストラクターに加えて、SCA(Steak Cookoff Association)のジャッジ資格、ビアソムリエ。そして狩猟免許(第一種銃猟・わな猟)。
…ちょっとした資格のフルコースです。
でも不思議と、コレクションしている感じではない。
全部がちゃんと「やってみたい」「理解したい」という延長線上にある。
すべてに共通しているのは、「自分でやってみる」という姿勢。
既製品や完成形だけで終わらせず、どうやってできているのか、そのプロセスごと理解したいタイプ。

AIで業務を最適化しながら、
炭火で肉を最適化している人。
どちらも、“どうすれば一番いい状態になるか”を突き詰める仕事。
静かに、でも確実に精度を上げていくその姿は、どこか同じ匂いがします。
次にどこで焼くのか。彼のアメリカンドリームはまだ続きます・・・。
COLUMN
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