カーテン・ブラインド・スクリーンにひそむ危険性とは?

「カーテンに危険性なんてあるの?」
そう思いがちですが、カーテンそのものは安全でも、使い方や家具の配置次第で危険性が増す場合があるんです。
子どもが命を落とす大きな要因に「不慮の事故」があり、家庭内で起こりやすいことが国の調査で明らかになっています。
そこで今回は、カーテンをはじめ、ブラインドやスクリーンなど、窓まわりの商品にひそむ危険性とその対策方法についてご紹介しますね。
ブラインド・スクリーンのひもは要注意

消費者庁が厚生労働省「人口動態調査」の情報をもとに分析したところ、平成22年~26年の5年間に子どもの死亡事故(5歳未満)が3件、死亡に至らない事故も平成19年以降、7件起きていたことが分かりました。
ブラインドやスクリーンのひもが首にからまると、15秒以内に酸欠で気絶し、2~3分で死に至る可能性が出てくるんだそう。
消費者庁はこうした事故が「安全だと思っていた寝室やリビング等で、突然、静かに発生する」として、大人が気づきにくい危険性を指摘しています。
対策としては、以下のことが挙げられます。
・ひもが床から1m30mまでの低い位置にない、ループが6歳未満の子どもの頭が入らない大きさにするなど、首や手足に絡まりにくい安全な商品を選ぶ
・一定の重さがかかるとつなぎ目が外れるセーフティジョイント付きの商品を選ぶ
※セーフティジョイントの画像/フリー素材なし
・チェーンを緩まないようにする固定器具等を設置する
・子どもの手の届かない位置でコードをまとめて、クリップなどで留める
※使い方のイメージ画像/フリー素材なし
日本ブラインド工業会では「チャイルドセーフティ」として、2015年にブラインドやスクリーンを安心して使うための基準を作成。
現在は各メーカーでコードやチェーンを子どもの手の届かない位置に束ねるクリップをつける、一定の荷重がかかるとコードのつなぎ目が外れるジョイントを設ける、コードレスにするなどの対策がされているんです。住宅向け商品のタグや取扱説明書などにも警告と安全対策の説明が記載されているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

カーテンのタッセルでも「まさか」は起きる

ブラインドやスクリーンのひもと同じように、カーテンのタッセル(留めひも)も気を付けたいところ。日本でも床から50cmほどの高さのタッセルに子どもが首を引っかけて窒息した事故が起きているんです。
カーテンも以下の対策が効果的です。
・タッセルのふさかけを高い位置に設置する
・使わない時はループ状にしない
・一定の重さがかかるとタッセルが外れる安全器具を使う
・簡単に外れるマグネット式のふさかけやタッセルに替える
ソファやベッドの位置ひとつで危険度アップ

子どもの手が届かない位置にひもがあっても、近くにソファやベッドがあれば子どもはよじ登ってしまいます。その際に体に引っかかったり、転落してひもが絡まったりする危険性があるんだそう。
ブラインドなどのひもやカーテンのタッセルのそばにはできるだけ家具を配置しないようにして、子どもが安心して暮らせる住空間を整えたいですね。
商品を買うときはまず、お求めの専門店のスタッフにしっかり確認することをおススメします。
出典:消費者庁「ブラインド等のひもの事故に気を付けて!」
国民生活センター「死亡事故も!ブラインド等のひもで窒息」
まとめ
東京都が行ったアンケート調査では、子どものいる家庭の約15%がブラインドのひもやカーテンのタッセルによるトラブルやヒヤリハットを経験したと回答しています。特に3歳以下の子どもが多く、「ひもを引っかけて遊んでいた」という事例が目に付きました。
ヒヤリハットを経験した家庭の大半が、「安全器具が付いていない商品を使っていた」、「事故が起きるまで危険を感じていなかった」と回答。ブラインドやカーテンが盲点になっていることが伝わります。
子どもは大人には想像のつかない使い方で遊ぶ可能性があるからこそ、ブラインドやスクリーン、カーテンにひそむ危険性を知り、窓まわりの安全を守る使い方をしていきたいですね。
出典:東京都「ブランド等のひもに関するアンケート調査結果」(H25)
生地からつくるオーダーカーテン